第2期『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』7話感想

中盤に入ってファンとスクールアイドルの関係の描写が濃くなりつつある。

もしファンの中でスクールアイドルになりたい人間がいたら、という典型が栞子に当たるのだろう。

 

今回も残念な点があるので先に述べると、今話に至るまで栞子と同好会メンバーの接点が少なすぎたことである。

栞子をよく知っているのが同じ生徒会に所属するせつ菜で、続いてそのせつ菜の付き添いで関係があったのが侑と歩夢で、

最後に伝聞でその存在を知っていたのが他の同好会メンバーである。

その関係性だと、同好会のメンバーが栞子の勧誘へ説得する紫苑女学院のステージを前にした場面は相当無理があった。

これまで描かれてきた栞子の活躍は生徒会の役割の範囲内に限定されていて、

その枠を超えた働きがメンバーに見える形であったならば納得出来たのかもしれない。

栞子と同じ同好会に協力的でありながら心の壁を作っていたキャラと言えば、1期の果林が思い出されるが

彼女は当番回に至るまで同好会メンバーと多くの接点があり、心理的な問題の解決までに蓄積も十分だった。

 

その重大な欠陥を除けば今回の構成は素晴らしかった。

結局栞子が姉に見ていた限界は、適性という名の自らに課した縛りでしか無かった。

出来ることしかしない選択は、一人でしか到達出来ない限界を迎えてしまう。

対して、やりたいことをやる未来は例え失敗に終わっても後悔が無く

続くみんなに力を与える希望がある。

それはスクールアイドルの応援に留まらず自分の夢を歩みだした侑に重なるのは言うまでもない。

誤解の解けた三船姉妹の本来の関係は、栞子と同好会の関係に延長され同一となった。

驚くほどの整合性だが、その論理に従うキャラクターの心情変化と筋道は決して無機質となっておらずドラマは感動的だった。