
陽高真白さんはこれからデビュー三年目を迎えようとする新人声優なのでまだ人物を評する段階ではないのだが、
大物になる予感がして見過ごせない存在である。


ここ最近のビジュアルはかなり尖っていて従来の声優オタクを怯ませるような印象がある。
まるで演じるキャラクターに彼女が取り込まれてしまったのかと心配してしまうほどだ。
まずは彼女の発言を中心にその人となりを探っていく。
・大のディズニーランド好き
頻度は季節毎で、落ち込んだ時もジェットコースターに乗りに行ったりしている


・食事が得意
・自撮りや人の写真を撮ることが好き
・アウトドア志向
・身体が硬い
・緊張することは無駄だと考えている
・尊敬する先輩は楠木ともりさん
・学生時代はショートヘアのボーイッシュな見た目で、
女子生徒からバレンタインデーにチョコレートを貰ったり告白もされた
・アドリブが苦手
・好きな色は白とピンク
・休日でも絶対に午前中に起きる
・梅干しが好きで、これまで使った食費の中で一番多いと豪語するほど
・現在170.8cmと女性声優としてはかなりの長身だが、昔は背が高いことを弄られていた

・女性のK-POPアイドルにハマっている
・中学時代からボカロにハマった
・字が下手なことがファンの間で話題になる
【学マス】十王星南 紹介PV 【アイドルマスター】
https://youtube.com/watch?v=CROgU1ZNwW0

・絵心がある


・腕相撲が弱い
・腕立てが出来ない
・春咲暖さんと一緒にいる時は礼儀正しい後輩になると周囲から言われている
・進路相談に乗ってくれて声優を目指すことになった高校3年の担任が恩師
・伊波杏樹さんに憧れて所属事務所をSMAに決めた
・関東出身は確定(頑なに県名は言わない)
・母親がデザイナーだった
今は小さな蕾が成長とともに一番星としての輝きを増す未来を彼女自身やファンが夢見る過程にいる。
そう楽観して彼女の声優人生を見守るものだと考えていたが、その輝きを失わせかねない刺客が
同じ所属事務所から送られて来るとは誰が予想出来ただろう。

陽高さんが2歳年上で芸歴が6年違う春咲暖さんと共にパーソナリティを務める動画番組『春咲暖と陽高真白の「おうちとれーにんぐっ!」』が始まったのは2024年9月である。
陽キャの陽高さんと陰キャの春咲さんの正反対な者同士のコミュニケーションを楽しむというコンセプトの番組である。
筆者が抱く二人の関係の印象は回毎に変遷を辿る。
筆者は第1回から二人の相性の悪さに勘付いていた。
この回で特に印象的だったのは、自分の言動に対して何度も拒絶的なオーバーアクションで返してくる春咲さんに
陽高さんが心折れそうだった場面である。
初回ということを差し引いたとしても、相手が春咲さんだからこそのミスも連発して彼女の過度な緊張が伝わってくるようだった。
第2回はそこまで表だって相性の悪さは出てこなかったが、
筆者のように元から仲を疑って見ようとする者には分かる気まずい瞬間はいくつもあった。
驚きの変化が見られたのは第3回で、春咲さんの態度が軟化して融和的になったように見えたのだ。
プライベートで二人の間に何かあったのかと想像してしまうくらいの程よく取れた距離感を感じた。
上手くいってないように見えても本人たちは満足して成立する関係もありえるのかもしれないと筆者も少し反省したくらいだ。
ただ後から気付いたのは、春咲さんはあくまで距離を取ったのであって
決して陽高さんに歩み寄ったわけではないということである。
そして二人への筆者の甘い配慮を嘲笑うかのような決定的な瞬間が第4回に訪れた。
https://youtube.com/watch?v=vJ8WObgQb_0?t=1695

いつもは明るく天真爛漫な陽高さんが言い返せずに落ち込んでしまい、
対する春咲さんは彼女を一瞥するだけで番組を進行してしまっている。
この瞬間に現れたものが真実で、二人の関係の本質である。
互いに嫌悪している不仲とまでは言えないまでも、
両者の間には取り除きようがないわだかまりがあることが誰の目にも明らかになっただろう。
結果的に悪口になってしまった春咲さんの発言の是非を問うことはしない。
我々に見えないそれまでの関係性があり、安易に言葉だけを捉えて批判すべきではない。
ただ春咲さんが自分の言葉によって落ち込んだ後輩をフォローしなかったことは批判は免れないだろう。
陽高さんが春咲さんとの関係を深刻に思い悩んでるのか、
今回のようなことも一過性のものとして楽観的に考えているのかは定かではない。
しかし春咲さんに対して性格の一貫性を保てないことに関してはもどかしく思っているに違いない。
春咲さんとの関係は声優業の本筋とは外れた思わぬ試練である。
声優に限らず芸事に関わる者にとっては、あらゆることが芸の肥やしと言う。
だとしたらこの先輩との付き合い方を考えることは、きっと将来陽高さんにとって役に立つことなのだろう。
彼女たちだけではなく同じ声優事務所の先輩と後輩が上手くいかないのは珍しいことではない。
せめて二人が同期だったり、互いに違う事務所の所属ならばと残念に思うこともある。
どんなに陽高さんが努力しても今の関係は覆らないと悲観的に見ているが、
結果ではなく挑戦することが大事なのだ。
彼女が自覚していて演じるキャラにも共通する「出力過多」に取り組む絶好の機会でもあり、
力押しでもやり過ごすでもない解決法が求められているのである。
今回陽高さんは演じるキャラクターとのズレを感じさせる弱さを露呈した。
しかし長い声優人生から考えると彼女の光を陰らせ絶対的な壁にも見える今回の試練も数ある中の一つに過ぎず、
そのような仮初の限界を何度も乗り越えて大きな存在になっていくはずだ。
だとすると彼女の声優人生は、憧れの一番星の輝きを自分のものにする物語と言えるのかもしれない。