RADIOアニガサキは、高咲侑役の矢野妃菜喜さんと上原歩夢役の大西亜玖璃さんがパーソナリティを務めるラジオ番組である。
筆者がアニメに続いてラジオまでハマったのには理由がある。
現実の二人にアニメの役が引き継がれているからだ。
矢野さんが虹ヶ咲プロジェクトに合流したのは数年経ったアニメの主人公に抜擢されてからなので、
発足当初からのメンバーの大西さんとは後輩にあたる関係である。
だから矢野さんとしては萎縮して、大西さんを先輩として立てるような付き合いになってもおかしくはなかったはずである。
しかしそうはならず歩夢に対する侑と同じく、いつの間にか彼女は大西さんとの関係の手綱を握っている立場に納まっている。
矢野さんは大西さんとは一線を引いていて仲は良いのだが甘々な関係とはなっておらず、これもアニメと同じである。
大西さんの、少し芝居がかっているものの虹ヶ咲メンバーの中では自分が矢野さんの一番の存在でいたい想いも番組で多く垣間見られるが、
それへの矢野さんの対応もいなし躱して、時には正面に据えて説得するのもまたアニメと同じである。
歩夢が作中で克服したはずの侑への独占欲を現実でも時折大西さんが発現させていることは、
作品の「その後」を想起させる楽しみをファンに与えてくれるのである。
筆者がこのラジオ番組を聴いていて一番脳内が痺れるのは、矢野さんが大西さんを「亜玖璃」と呼び捨てにする瞬間である。
最初はあぐぽん呼びだったが、矢野さんが宣言して呼び捨てに変える経緯があった。
当時の矢野さんの思い切りの良さに感心し、今から振り返ってみても当然な成り行きだった。
これで呼び名も完全にアニメとシンクロすることとなったのだが、互いの「亜玖璃」と「妃菜喜ちゃん」呼びはしっくり来ていて
もうこれ以外は考えられないくらいである。
余人の妄想など取るに足らないものである。
このラジオこそ侑と歩夢の公式同人誌だからだ。