受け手の補完能力が高いとコンテンツが成長しない

世界からリミテッドアニメと揶揄されることもある日本のアニメを見て、

どうして視聴者はその貧弱さに我慢出来ているのだろうか?

その理由は、省略されて描かれてない部分を受け手が無意識に補完しているからだ。

想像力とは凄いもので、絵の才能が無く表現できない人でも情景や動きを想像し感じ取ることが出来るものなのである。

コマとコマの間を補完しながら物語を読み進める漫画が、アニメオタクの想像力を育んでいる源泉だろう。

 

しかしながらアニメ視聴者の補完能力頼りの制作は限界が来るに違いない。

様々な方面からの圧力が考えられるが、一番の要因はゲームと思われる。

リッチな家庭用ゲーム機はもちろん、スマートフォンのゲームでさえキャラクターや背景は密度の濃い3DCGで描かれている。

キャラクターは自在に操作でき、背景も自由に視点移動もできる。

そのような画面に慣れたゲーマーがこれからアニメオタクになるにつれ、現状のアニメに満足出来るだろうか?

現状のアニメオタクも想像力で補っていた物がリアリティのあるオブジェクトとして画面に差し出されると、そちらに目移りしてしまっても仕方がない。

 制作側の制約に依らずキャラクターが動き、背景もしっかり描き込まれている作品がスタンダードになるのも遠い日ではない。