オタクが人を好きになるもので真っ先に挙げられるのが声優だ。
別々の作品でキャラクターを演じる中で同じ声優を好きになるのは、
所詮キャラクターは声優の側でしかないことを証明しているかのようだ。
声の同一性が、それぞれのキャラクターの個性を超えて力を持ち
声優にファンが付かせるのである。
オタクと言えどその趣向が完全に二次元で完結する訳では無く、
現実にいる人間に惹き付けられるのだ。
こうなると逆転現象が起きて、好きな声優が出演しているから
作品を見ると言う声優オタクの悲しい性が露わになる。
漫画やアニメの二次創作もキャラクターを作品の外に引っ張り出して、
想像力を働かせ様々なシチュエーションに置いて彼らの可能性を引き出して描く。
そうすることで作品内で時間の止まっていたキャラクターは動き出し、
人間的な厚みを増して三次元の存在に近づこうとする。
オタクは例え二次元を介しても人間を好きで仕方がない習性があるということなのだろう。