声優事務所には声のラインが流れている

声優事務所の運営者は規模が大きくなるほど多くの声優を抱えたいと考えている。

しかし何も条件を考慮せずに新人を採用するわけではない。

採用にあたっては特徴のある声質や本人の資質に加えて、作品で演じられる人物の型を念頭に置いているだろう。

大手事務所では自分のところだけで全ての声優を出演させて、作品を一括受注したいと望んでいる。

他の事務所の声優を入れないことで自らの取り分を増やしたいはずであり、最初から競争することなく独占して受注することも可能になる。

となると現行のそして将来の作品の性質を分析してキャラクターのタイプ別に満遍なく自社に揃えたいと考えるのは当然だ。

 

我々オタクとは離れる話だが、所属先を探している新人声優にとっては、

希望する声優事務所の声のタイプのラインを見極めることが重要になってくる。

自分はどのラインで活躍できる型なのか、自分と声と同じくするタイプの層が厚いのか薄いのか、という思考が大事になる。

 

我々オタクに話を戻すと、ラインの動向を探ることで事務所の方針が分かるようになる。

現在いくつのラインを持ち、これからどのラインに手を伸ばそうかということを見れば事務所のビジネスの将来が判断できる。

それに加えて、推しの声優が活躍具合も予想できるかもしれない。

声優がどのラインに属し、ラインの前には誰がいて後ろにはいつ誰が補充されるのか見極めれば

事務所の声優の扱いが見えてくるのだ。

 

以上のディープな声オタならではの知識欲で、今日も彼らは声優業界を観察しているのである。