埃を被っているような有名な過去作を元にした派生作品を、アニメやゲームなどで見かける機会が増えてきた。
同じく歴史及びその構成要素がモチーフとなっている作品も増えている。
共通するのは既に存在したものを題材にしていることである。
しかしながらそれは創作における死である。縮小再生産の創作活動でもある。
過去のものを拠り所とした創作とは、広い意味では二次創作である。
通常それは同人の分野で行われてきたものである。
しかし今では商業作品でも幅を効かせつつあるのが現状だ。
オリジナルな創作に挑戦する意欲も能力もないクリエイターは市場から退場するのが当然だったが、
今の時代は他人の原作に依存することで生き永らえることが可能になっている。
我々オタクも既存の作品の理解のし易さを優先してその派生作品のみを追うことに甘んじれば、
業界としてその傾向が深まるばかりだ。
もはや原典として絶対的に君臨する過去の原作は、言うまでもなく登場時はオリジナルだったはずである。
オリジナルを尊び創作し鑑賞する土壌を作り直すことが求められている。