数年前、様々なフリーゲームを漁っていた筆者が非常に衝撃を受けたRPGとの出会いがあった。
それが『ワールドピース&ピース』と言う作品である。
圧倒的なボリュームで紡がれるダークファンタジーRPG「ワールドピース&ピース」
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/shumatsu/720794.html
復讐と輪廻が織り成す重厚なストーリーで、独特でプレイヤーの知能が求められる戦闘システムは攻略のし甲斐があり、
商業ゲームでもこの作品に勝るものは少ないと思われる大傑作だ。
当然作者にも興味を持ち動向を追っていたが、海外に旅立つというので、
それ以降のゲーム制作の可能性が断たれたことを筆者は残念に思った記憶がある。
数年の時が経ち、ふと調べて見ると作者はSNSをやっていた。
帰国した暁には、大袈裟かもしれないがこの才能溢れる天才は
ゲーム会社にプロデューサー待遇で迎えられて人気作品に携わり栄光の道を歩むくらいには思っていた。
しかし現実はそうではなく、会社の人間関係や立場の悩みや
ゲーム制作に費やす余裕の無さを吐露していたのである。
ゲームの中で世界の興亡を描いていた作者が一会社員として苦労しているというのが微笑ましかったのと同時に、
偉大な才能が足踏みしているのが嘆かわしく思えたのである。
十分な生活資金を持ってない、全てはそれに起因する。
自分の才能をいち早くマネタイズする、それは啓蒙されるように社会の色々な所で言われ始めている。
それで生まれた余力でもって創作活動に集中し、発表された作品がまた収益を生む好循環が説かれている。
彼は残念ながらそれから外れてしまった例だが、創作者というものが
お金が無いと生活できない人間だったことが改めて判明した好例だ。
一昔前は卑俗だと考えられていたが、創作が金で報われることを社会の常識にしていかないと
作者はもちろん彼らの作品を享受するオタクにとっても損失だと思い知らされたのである。