有名になる前に代表作を生んだ創作者とどう付き合うべきか

今月初め、『お茶会への招待状』というフリーの乙女ゲームが6年ぶりにアップデートされた。

 

創作サークル .aihen
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各登場人物はメインルートは当然として、他のルートでも別の側面が補完されていて

丁寧に肉付けされた内面の厚みに驚いた思い出がある。

彼らとの交流を近代の英国社会の上品な雰囲気の中で味わえる贅沢な作品でもあった。

大人で紳士、時にはお茶目な子供っぽさを見せてくれるキャラクターたちに

男なのにときめかされてしまい、プレイしていて屈辱感も経験した筆者にとっては因縁のゲームだ。

しかしファンブックを出したきり音沙汰が無くなり、この作者も引退してしまったかと

今ではほぼ記憶から失せてしまいそうな時に飛び込んで来た復活のニュースである。

 

喜びつつ作者のSNSでの発信を追っていく内に、筆者の心は不穏な影で覆われた。

何度か遭遇したパターンの既視感に「またか」と呟いたほどだ。

過去作のリメイク、今後の作者のその方針にである。

このブログでも何度か取り上げた『ワールドピース&ピース』の作者しかり、某TYPE-MOONのほぼ20年ぶりのリメイク作品が前後編の分割商法だったり、

完結した小説家サイトの作品が今更書籍化されてアニメ化されたことなどの記憶が去来した。

それはメジャーデビューする前に代表作を生んでしまった創作者を追っているファン共通の悲哀だろう。

 

だからと言って過去の「焼き直し」を目の前にしたファンが何か出来ると言えば何も出来はしない。

作品を超えた創作人生における制作方針に意見する訳にもいかず、こればかりは本当にどうしようも無い。

古参のファンとして新たに増えるファンへの優越感に浸りながら、自ら急がず作者も急かさず

繰り返される成功を黙って見守り、しかし新たな作品の誕生への願いが密かに通じれば良いと祈るしかないのである。