質がその高さだけで衆目を集め正当な評価を受ける。
今の時代それは難しいのかもしれないと、
アニメ『サマータイムレンダ』を観ながら思ったのである。
最近のジャンプ原作の例に漏れずアニメ化に力が入っており、
タイムリープ作品の金字塔『シュタインズ・ゲート』と同じくらい楽しませてもらっている。
しかし注目度は圧倒的に低い。
配信のチャンネルが極めて限定されているのが理由だ。
質云々の前に存在さえ知られてなければどうしようも無い。
確かなものこそ多くの観客がいる舞台が用意されるべきという教訓でもある。
それはこれから挑もうとする様々な分野の創作者にも言えることであって、
作品にかけた創意と努力だけではファンに届かない事実を知る必要がある。
発表の場を理解せず藻掻くほど、不必要に作品の質を望まない方向に変えてしまうことさえあり得る。
人目につくところほど作品への毀誉褒貶は激しい。
しかしそこは創作者を実力以上の「流れ」に乗せてくれる場所でもある。
それこそ我々がこれまでジャンプ連載で見てきた
ファンに揉まれて成長していった人気漫画家たちの歴史なのだ。