アニメの原作が枯渇しても構わない

アニメ化候補の原作の枯渇が心配されているようである。

しかし個人的には、それはアニメの可能性を拡げる好機だと捉えている。

3つの展開が予想される。

 

一つ目は、より幅広い中から原作を選択することである。

厳密に言えば、今問題視されているのはアニメの原作となる「漫画」や「ライトノベル」の枯渇だ。

既にヒット作である原作をアニメ化していた従来の手法が取れなくなり、アニメ化された際の人気や円盤の売り上げの予測がしにくくなる。

これからはマイナーな漫画やライトノベル作品、そして文学作品までアニメ化候補の選択に入れなければいけないだろう。

アニメとは表現形式や媒体であって、決してアニメオタクの嗜好に沿う作品群のことを指すのではない。

原作の幅の広さは、アニメを既存のアニメオタクの嗜好の縛りから開放する可能性がある。

原作の「人気力」頼みではない制作やプロデューサーの目利きが問われることになるだろう。

 

二つ目は、過去作のリメイクや続編の制作である。

ほとんどの作品が1クールで終わっている現状は異常である。

面白い作品はリメイクや続編が作られファンから長く愛されるべきだ。

既に確立された人気に乗っかる手法だが、昔は人気作品は長いクールでやっていたのが当然だったわけで

ようやく当たり前の状態に復元されようとしているだけなのである。

 

三つ目は、アニメの制作関係者が独自に原作を募集することである。

ただこの試みは長続きしないので永続するシステムを作る必要がある。

リスクは高いが、外部から与えられたものではなく

原作選定の時点で制作関係者の意向が強く反映された作品もかなりの独自性を持つだろう。

 

一方では人気作品の続編が作られる安定があり、他方では事前の人気が全く読めない作品の制作に挑む困難がある。