新クールが始まるにあたって、アニメオタクとしての資質が問われるのがダークホース作品の選び方である。
大勢に靡くようにメジャー作品のみを視聴するというのはアニメオタクの誇りが許さない。
人が注目していないものに新たな価値を見い出すというのがオタクの在り方である。
そこで毎期数ある作品の中からダークホースを選ぶことで、オタクとして自らを試すのだ。
言葉の意味からしてダークホースとはマイナーと違って状況次第では上位に躍り出る可能性があり、
視聴者としてメジャー作品を打ち負かすような逆転劇を期待しているところはある。
とはいえそんな大番狂わせは滅多にないので、密かに自分だけがその価値を知る作品として静かに楽しみたいのである。
独占したい、けれども広く知られてほしいという矛盾した気持ちはある。
ダークホース作品を視聴していく中で大作とは無縁の少数者向けだと選民意識を抱き、
特に予算の影響が強い作画面に関して不安を覚えるのは毎度のことだ。
大抵演出がそのリソース不足な作画を補い良作の片鱗を見せてくれる。
話数が進むに連れてダークホースとしての期待も裏切られたことも数多くあるが、
見事に最後までクオリティを保ち続けた作品を完走した場合の興奮は相当なものだ。
人に知られていない確かなものを自分だけが知っているという満足感はオタクの誇りとなる。