アニメオタクが作品を消化する工程は、本編を視聴しつつWEBラジオや動画番組を楽しみ、グッズや円盤を購入するというものである。
そして締めがスタッフ本(お疲れ様本)を読了することであり、そうして全工程が終了する。
しかし『盾の勇者の成り上がり』は事情が違った。
なんとスタッフ本は外国でしか販売されなかったのである。
全ての作品のスタッフ本が出るわけでもなく、またその告知も公式や制作会社のSNSを注視しないと知ることが出来ないので、
意外とそのことはオタクには広く知られていなかった。
だが目敏いオタクは"The Rising of the Shield Hero Staff Memorial Book"で画像検索して、
海外のオタクがネットに上げていたスタッフ本を鑑賞していたのである。
アニメーターを初めとする製作スタッフが報酬の足しになるようスタッフ本を出すことは、業界の暗黙の慣行である。
しかし海外のみの販売となると、おそらく製作委員会や制作会社がその慣行をストップせざるを得なかった理由があったはずだ。
2期3期と立て続けに製作決定されたことから、最初からこの作品は海外向けのであり、
海外でのスタッフ本の刊行も最初から構想されていたものだと思われる。
そうなれば日本での需要も当初から当て込んでいなかったことになる。
https://twitter.com/nekopapapa/status/1302097161602048000?s=19
関係者の努力虚しく、最近まで状況は放置されてきた。
この件は海外の意向を受けた日本の、海外のためのアニメを象徴する事例である。
しかし2期放送と言うこともあってようやく国内でも販売されることになったが、それは一週間という期間限定でのものとなってしまった。
未だ日本のオタクが軽んじられているようで、アニメの消費スタイルを自国でスムーズに完結出来ないもどかしさを感じた。