第2期『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2話感想

Colorful Dreams! Colorful Smiles! / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 【『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』TVアニメ2期オープニング映像】 
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舞台が天候の影響を受けない講堂であり、衣装のスカートのデザインが鍵盤であることから

侑から提供された曲を同好会全員で歌う物語のラストがほぼ確定した。

視聴者が望む予定調和に応えるため、ネタバレも辞さず

敢えてこのようなカットを挿入した制作スタッフには

心意気を感じた。


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おそらく栞子との絡みとユニット結成まで出番が控えめになるせつ菜だが、

ランジュが同好会に所属していないことを残念そうに彼女が語る場面。

同好会に入ってほしいがそれを強制したくないことを伺わせる表情と口調なのは、

メンバーの意思を尊重せず同好会を瓦解させたトラウマを抱えているからである。


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ランジュへの楽曲提供の動機は自分の名声のためだと語ったミア。

おそらく侑は誰かのために作曲したいと動機を持つはずで、二人の違いが浮かび上がる前の前哨戦が始まった。


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同好会に対して対抗意識を隠さないランジュへのヘイトの矛の役割をかすみ単独で担わせたのは、

ランジュと同好会の敵対関係を緩和する良いアイデアである。

陽気なおバカキャラが攻撃的な言動をしてもシリアスにならず、

他のメンバーが同調せず彼女を宥めることで却って同好会の寛容さを際立たせている。f:id:nizinokakari:20220410053347j:image

結局かすみはピエロで終わらず、ランジュの勧誘に合意する。

彼女の事態の呑み込みの遅さは、視聴者の代表者としてランジュという大きい異物を飲み込むための準備とも言えなくもない。

 

「同好会は色んなアイドルが居られる最高の場所」のかすみのセリフは、

将来ランジュが入部することになってもそれがランジュの敗北であることを回避させる意味を持つ。

多様性が多様な者を受け入れるのは当然だと、今の時点で視聴者に印象付けたいのだろう。

 

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同好会メンバーが尾行する中でランジュが日本に馴染んでいく過程が知れて、

同好会グッズを喜んで買っている姿を見せて本心では同好会を好きだと伝えることで

彼女が嫌われキャラにならないようにした配慮に感心した。


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メンバーがブランコに乗りながらランジュ勧誘作戦を話し合っているシーン。

各人の漕いでいるリズムは個性を尊重するようにバラバラなようでいて、
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ユニットを組む解決策が出た瞬間そのリズムは同期して止まった。

ブランコの挙動でもって4人の気持ちがまとまる瞬間を演出した感動的な場面だ。

 

結成されたQU4RTZを通してソロとグループの対立軸が強く打ち出された回だった。

ユニットの延長にファンを含むみんなが居るはずで、この作品が個と集団の理想的な共存を提示してくれると信じたい。