第2期『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』6話感想

周囲に生徒会長であることを隠しているせつ菜の設定に関して、筆者はあくまでコメディ要素であって

物語を動かす核となり得えないと考えていたので、それが明かされる今回は凄まじい茶番が始まるのだろうと心配していた。

しかし視聴を終えてその設定が感動的なストーリーに一役買っていることが分かった。

 

スクールアイドルと生徒会長の両立している現状を肯定しているせつ菜に、満足げに笑いかけている侑。

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侑の少し過剰な反応に引っ掛かりを覚えた視聴者もいただろうが、1期の二人の対話を記憶している者にとっては感慨深いシーンだ。

侑から一人として個性を認められたせつ菜が、更に自分の中の複数の個性である「大好き」を許容していて

その彼女の成長ぶりを嬉しく思えたから侑は笑顔になったのである。

 


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侑がカメラで撮影するシーンが多く見られたが、これは今後のための仕込みなのだろう。

おそらく最終回の舞台でスクールアイドルとファンの結び付きを振り返るようにその映像が披露されると予想している。

2期の侑はピアノ奏者として独り立ちしてスクールアイドルに貢献するのとは別に、

ファンとスクールアイドルの関係の記録係も課せられているようだ。

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円盤の法人特典もネタバレ気味にそれを証明している。

 

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第2回スクールアイドルフェスティバルの複数校での合同開催の提案が実現される過程が最短最小で収められたのは、

せつ菜が生徒会長である設定のメリットだった。

他のアイドルアニメだと、アイドルと生徒会の対立と融和の過程が長々と描かれ退屈していただろう。


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スクールアイドルフェスティバル実現へ向けたみんなの協力を見て、

アイドルがファンとかけ離れた存在では無いとランジュの意識に刻まれたはずで、

同じ理念を持つ同好会からランジュへ働く引力を着実に描いていて感心した。

 

今までのユニット回のライブへの流れが強引に感じていたが、

今回のせつ菜の開幕の挨拶からA・ZU・NAのライブを経てED曲に至る怒涛の勢いが心地良かった。

みんなの「大好き」が束ねられるこれまでの経緯と、新しくステージでそれらが花開く未来を繋ぐ中間の要として

ライブを意義あるものに仕立てた制作スタッフには唸らされてしまった。