第2期『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』3話感想

2話までは文句の付けようが無い完璧さだったが、3話でいきなり赤信号が灯ってしまった。

論理的に構成がされている作品なのに、論理の欠落があると

筆者としてはそこを鋭く批判の対象としないといけなくなる。

 

QU4RTZのライブに物語上課された課題は2つあった。

1つ目は、4人が1つのユニットにいることで見つけた互いの新しい個性を輝かせつつ一丸となることである。

これは個人がやりたいことをやるソロライブから、溶け合う個性がそれぞれ新しい色を放つユニットライブへの進化という形で上手く決着した。

 

2つ目は、ファンを巻き込んでファンと共に楽しめるライブにすることだ。

それは、エマの「ファンのみんなと盛り上がるライブ」、彼方の「ファンと一緒に楽しめるステージを作った方がいい」のセリフにあるように

本人たちが繰り返して言及していたことだ。

しかしこの課題の解消が放棄されてしまった。

メンバー間の結束と言う同好会内の問題の解決だけでは、出演人数が増えただけでソロライブと違いがなく

それがランジュの心を動かす道理が無い。

唯一ファンとの結び付きが見れたのは、曲中にファンのクラップが入ったことだけで、

それでは到底物足りなかった。

1期最終回のスクールアイドルフェスティバルは、会場の設営を手伝ってもらったり

その途中で応援をファンから貰ってたりして、ライブの至高の一体感を演出していた。

おそらく今回の合同ライブは来たるべき第2回スクールアイドルフェスティバルの予行演習だったはずなのだが、

物語的に欠かせないファンとの連帯が無視されてしまった。

その反省を次回以降QU4RTZのメンバーがするシーンがあれば納得出来るが、その機会は設けられないだろう。

 

他に構成の問題と言えば、1話中に2つもカタルシスを入れたことだ。

それはQU4RTZのライブと侑の作曲試験で、3話は話の密度が窮屈で

ストーリーに沿って筆者は感情が紐解かれることが無かった。

それと今回で侑の問題が決着してしまったのなら、話が軽いと言わざるを得ない。

まだまだ侑にはみんなの助けが必要となる重大な試練が待っていると信じたい。

 

栞子やミアが徐々に同好会と関わりを持つ並行展開は流石の構成だったので、

そこにユニットの結成エピソードが挿入されると尺が足らずおかしくなるのだろう。

残り2つのユニットが登場する予定なので、今回の不満は一過性のものではない。