アニメを見ていく内に声と演じる人の名前が一致するようになり、ラジオや動画番組で親しみを覚え始めファンになっていく。 声優オタクなら誰もが同じ道を辿るのだが、その歩みは至福の時といっていい。
一方的な片思いではあるが、声優と同じ時間を過ごしたという共有体験は何にもまして替えられないものだ。 単なる好きという感情ではなく、かけがえもないと思える存在、それが声オタにとっての声優だ。
しかし決して忘れてはならない事実があったのだ。ファンになった声優たちには上の世代がいたということを。 そのことを忘れた声オタにしっぺ返しをするかの如く、新たに新人声優がアニメ業界に参入してくるのだ。
声優と共に時代を築き上げたという誇りは、新人声優の台頭で悲しみに染められていく。
世代交代が我々声優ファンにも突き付けられる現実は辛いのだ。