「海のガルパン」に成り損ねた『はいふり』。日本国軍兵士として戦えないアニメの少年少女たち

ハイスクール・フリート、通称はいふりは放送が終わってかなり時間が経ったが、未だ根強い人気を持つ作品だ。

戦闘シーンが無いにも関わらずOVAは、同じ時期テレビ放送されていた他作品を大きく上回る売上だった。

制作側とファンは共に海のガルパンとして今後の展開を期待していたはずだが、現在は停滞している。

いくつか理由はあるが、人を殺す戦闘シーンを描けないことがあるだろう。

舞台が海戦なので軍艦が沈没したら乗組員は全員死亡するのが常識だ。

 

少女たちが兵士として戦闘員である相手の人間を殺す、これは非常に残酷で受け入れ難いものだ。

ましてや戦争が日常にあるものとして考えられない日本国民なら尚更だろう。

アニメのみならず、実写やゲームでさえ現代の人間を主体にした日本国の戦争を描くことを避けている。

図らずもその問題を浮き彫りにした『はいふり』だが、もし続編が作られるとしたらどうなるのだろう?

 

1.ガルパンのように競技化したり演習を重点的に描写

2.敵を人間でなくする

3.軍隊から警備隊的な組織に変更する

 

いずれの方法が取られエンタメ作品として寿命を繋いだとしても、それは戦争の本質を描くことを避けたことは免れないのだ。