武器、それは人を殺すための道具である。
しかしながらその本質を見ようとしないのがオタクなのかもしれない。
制作側からすると、武器を即死させるまでの威力を持たないものにして
バトルにドラマを持たせ、オタクは争う両者の情念に感動する。
しかしながら現実世界では相手を視認することもなく、あるいは極度に短い視認時間の中で戦闘に決着をつける武器が用いられている。
この現実との乖離を考えれば、登場キャラが刀や肉弾戦で戦いに臨もうとする創作作品が滑稽に思える。
過去の歴史の戦場に立った者の心情を想像すると、弓矢や銃、そして戦車など当時新登場した兵器に対して
前時代とは圧倒的な殺傷能力の違いに絶望と自らの無力さを感じ
武器の優劣が勝敗を決めてしまう戦いの冷酷な本質を胸に刻み込まれただろう。
フィクションに遊ぶオタクはその悲哀を知らないままでいる。