アニメのフィクションと実写のリアリティの悪いとこ取りしたものが特撮である。
子供時代からいつの間にか興味を失い全く観ることが無くなった理由、大人となった現在なら分析することが可能かもしれない。
1.現実から受ける制約が強く、描こうとするフィクションが嘘臭い
主人公のヒーローと敵役が生死を賭けた戦闘をするものとする。
当然相手に傷を追わせ致命傷を与えるような加撃をしないといけない。
しかし特撮ではそんなことは不可能だ。
俳優に怪我をさせるわけにはいかないからだ。
そこでメイクや演出でそう見せるわけだが、嘘臭さは隠せない。
生身の人間にはフィクションのキャラクターは荷が重いのである。
反面、絵はアニメーター、声は声優で分担するアニメのキャラクターの自由さが際立ってくることになる。
派手な戦闘シーンを実現するために豪華なセットを用意するものだが、予算不足だとチープなものとなり
画面も見窄らしくまたわざとらしくなる。
それを回避するために画面にデジタルなエフェクトを加えてみても、現実の人間の背景としてはミスマッチ感が拭えない。
アニメにおけるエフェクトは華である。
キャラを萌えるように描くのと同じくらいエフェクトは画面を華やかにするのに向いている。
2.様式美に拘束されている
多少の例外はありながらも、毎話Aパートで会敵しBパートで敵を倒すワンパターンで構成されている。
一話完結の構成なので、全編を通した芯となるストーリーが薄くテーマも浅くなりがちである。
作品が違ってもキャラが交代しただけで、まるで作品を超えた特撮そのもののシリーズが続いているような錯覚さえ受ける。
アニメや漫画と比べればストーリーの種類の幅が狭く、フィクションとしての自由も少ない。
どう見ても特撮はアニメより表現で劣るようにしか思えないのだが、大人のファンも一定数確保しているのは不思議で仕方がない。
アニメの隣接ジャンルとは言われているが、筆者を含めてアニメオタクが全く興味を示さないのが特撮なのである。