アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』には正ヒロインのポジションにいながら視聴者から全く人気のないエミリアというキャラがいる。
圧倒的人気を誇るレムの影響とは関係なく、どうやら単独で見ても人気は低いようだ。
その理由を一言で言うと、彼女が「姫」だからだ。
姫という言葉には、尽くされる側の存在また奥で佇んでいる消極的な存在という含みがある。
彼女が告白を受け入れたり肉体的接触を許してくれるのは、主人公スバルが死に戻らずに物語の目的を達成した時のみである。
彼女の愛は成功に対しての報酬だと視聴者は捉えるわけだ。
これが彼女に冷淡なイメージを植え付け、悲しくも成果主義の権化みたいな存在にしてしまっている。
目的を達せられず死に戻ってしまった場合、頑張った過程の代価は彼女の愛情ではなく自らの死のみである。
無情なことではあるが、彼女との関係の悪化や決裂が物語のバッドルート突入のフラグであり次の展開への布石となってしまっている以上
失敗に報いてくれない彼女の冷酷さが浮き彫りになることは避けられないのである。
エミリアとレムの人気の差を考えると、出した結果を認めて褒めてくれるお姫様より、
努力している過程で共に支えて励ましてくれるパートナーのような女性が男性ファンから求められているようだ。