男性にとってはその一瞬こそが歓喜の瞬間である。
対象者の意思によってあからさまに見せつけるようなものではゲンナリするし、こちらが執拗にその瞬間を求める様は下品である。
あくまでも自然にその瞬間を迎えなければならない。偶然というのは対象の魅力を引き立てるものだからだ。
アニメにおいては巧妙な計算が、その瞬間を自然の結果に見えるようにすることが重要だ。
物理的な法則には従いつつ、カメラの位置は細心の注意をもって選択されなければならない。
カメラに映るのが良いのであって、カメラで写すことはタブーである。
それは制作者の品性の無さを表し、自らの欲望を暴かれた視聴者を羞恥に追い込むからだ。
制作側の観点からすると、アニメは作為の産物なので本当の偶然は起こらない。明確な意図をもって偶然の瞬間を作るには高い技術が必要だ。
視聴者としては自制心が求められるだろう。
欲望にすぐに応えてくれるものは下品で価値がないと知るべきだ。
求めながらも偶然によらないと手に入らないもの、そのことをアニメの制作者と視聴者にはこれからも忘れないでほしい。