ウマ娘「ユメヲカケル!」ウマ娘 プリティーダービー
https://m.youtube.com/watch?v=Vs6Oc_XJkhU
イベントやライブで披露されるダンスは、ゲーム内の飛んだり跳ねたりな派手なそれをかなり間引いたものである。
今回は声優にダンスさせることを可能にしたキーマンと『均衡』を語っていこう。
動画を見れば分かるが、振り付けが歌詞に忠実すぎるぐらいなぞっていたり、
歌詞を強く連想されるものになっている。
そこには振付師の意図が強く働いており、以下に述べる様々な役割を負っている。
声優でも覚えやすくミスが無いようにすることが最初に考慮されただろう。
ウマ娘のユニットのメンバーは完全に固定しているのではなく、舞台毎に一部入れ替えられている。
いずれは参加メンバーに習熟度の差が生まれかねない訳だが、
それを防ぐためにダンスのレベルは抑えられることになる。
10年以上前から初音ミクのモーションアクターを担当し、自分でも振り付けを考案出来ると豪語する小倉唯さんと、
あまりの踊れ無さに呆れられるどころか、逆に振付師を奮い立たせた逸話もある高野麻里佳さんが共演できているのはそのおかげである。
演者同士の連携で意味を持つ振り付けやフォーメーションは完全に削除されている。
難度の高さは言うまでもなくその練習のための時間調整が声優にとっては負担が大きすぎるからだ。
下半身を用いた振り付けも相当抑えられている。
激しい踊りだと歌に支障が出る可能性もあり、また声が本業の声優に怪我をするリスクを背負わすわけにもいかない。
その辺は声優事務所も厳しく目を光らせているはずだ。
このように徹底的に声優の都合を優先させた振り付けなのだが、だからと言ってダンスがみすぼらしくなってはいけないのである。
ウマ娘の場合、ダンスのその簡単さは馴染み深さを生む効果さえあるように見える。
演者にとっての平易と観客への見栄え、その均衡を保つ振付師の苦労があるようだ。