「3話切り」をめぐる後悔

一旦観始めたアニメは3話まで視聴してその後の視聴継続の可否を判断する、

これが通称3話切りと呼ばれるアニメオタクの視聴スタイルである。

それまでノーマークだった作品が3話で大化けし当期の覇権どころか

アニメの歴史に残る程のヒット作になった影響で、アニメオタクに根付いた習慣である。

 

しかし3話切りを乗り越えるような作品は多くない。

1話で魅力を感じない作品は最後まで詰まらない。

なぜ1話で視聴放棄しても良いものを3話まで猶予しているのかというと、

3話以前に観なくなった作品が実は名作だったことを後から知ったトラウマのせいだ。

その時視聴を止めた決断は、作品の真価を見抜けなかったオタクとしての敗北の烙印を自らに植え付けた。

その烙印の刻みは深く、判断を保留して最終話までクソアニメを完走するのがマシなくらいである。

一般的に「しない後悔よりする後悔」などと言われるが、

その積極的な判断こそ今尚オタクを実り少ない3話切りの呪縛に捕らえているのだ。